鉱業権とは
架空だけど現実かもストーリー

公的なサイトでは、ゼッタイ書けないこともあります。
一市民の自由な立場で鉱業法を解説しました。



砕石会社社長: オイ!もっと生産を上げよう!そうだ山の向こうの谷も崩せ!

      部下: 社長、それは無理です。県知事の許可が要ります。
               それに土石流の心配があるから許可が下りそうにありません。

      社長: また県知事の許可か!そんなもんなんとかならんのか!

      部下: 無理です。採石法で厳格に決められていて許可なしでやったら操業停止をくらいます。

      社長: よし、知り合いの弁護士に聞いてみよう。

悪徳弁護士: そんなら鉱業法に規定された鉱業権を出願したらいいよ。これは地権者に内緒で出願できるし。
                   県知事じゃなく国に直接出願するんだ。

    社長: フムフム、しかしあそこには鉱石なんてないぞ。

悪徳弁護士: 心配無用!けい石の試掘だと出願したらどこでもできるぞ。
        役所がけい石なんか無いといったらけい砂だといえばいい。
        硬質砂岩なんて成分はほとんど、けい砂なんだから。
                  ついでにマンガン鉱も試掘申請したらとことん掘れるぞ。
        掘った土石はコンクリの骨材用に売ればいい。

     社長: しかし、うまくいくんか?また県知事の邪魔が入らんか?

悪徳弁護士: 鉱業権をしらんな。あれは経済産業省じきじきの、お墨付きだぞ。
         ちゃちな県や市の条例なんか寄せ付けないんや!
                    地方の役人が、くだくだ言ってきたら、この紋所が目に入らぬか!と一喝してやれ。
 

    社長: 最近は住民運動がうるさいからな。環境破壊だとか言ってきたらどうする?

悪徳弁護士: 鉱業法第53条を知らんのか?と言ってやれ。
         著しく環境破壊が進んでどうしょうもなくなるまで掘れるんだ。
                    もっともその頃には山も無くなっているかもな。
                    それにな、役所がうるさくなったら、○○組にでも鉱業権を売ってやれよ。
                     あそこの奴等なら役所も怖がって何も言ってこないさ。
           「おい!にいちゃん、お前にも家族がいるんだろう。
              ガタガタ抜かすと月夜の晩ばかりじゃねえぞ!とかな」
                     儲けるだけ儲けたら鉱業権を役所に買い戻させる手もあるぞ。
                     ただ同然で手に入れた権利がウン千万になるかもな。
          そしたらオレにもたっぷり分け前くれよ。
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参考:

鉱業法第21条 鉱業権の設定を受けようとする者は、経済産業局長に出願して、その許可を受けなければならない。
2前項の規定による出願をしようとする者は、経済産業省令で定める手続に従い、引受時刻証明の取扱いとした第1
種郵便物その他の経済産業省令で定める方法により、次に掲げる事項を記載した願書に区域図を添えて、経済産業
局長に提出しなければならない。
1.出願の区域の所在地2.出願の区域の面積3.目的とする鉱物の名称4.氏名又は名称及び住所 

鉱業権は他人の土地にでも無断で設定の申請ができるのです。鉱業権というのは、一たん設定されれば、土地所有
者は何らこれに対し抵抗できません。戦後の一時期石炭が「黒いダイヤ」と呼ばれた時代の亡霊が今なお生きて私
たちの環境を破壊しようとしているのです。


第53条 経済産業局長は、鉱物の掘採が保健衛生上害があり、公共の用に供する施設若しくはこれに準ずる施設を
破壊し、文化財、公園若しくは温泉資源の保護に支障を生じ、又は農業、林業若しくはその他の産業の利益を損じ
、著しく公共の福祉に反するようになつたと認めるときは、鉱区のその部分について減少の処分をし、又は鉱業権
を取り消さなければならない。 

つまり実際に著しい回復不能の状態になるまで鉱業権は継続されるのです。
いったん許可されたら行政は法的には容易に手が出せません。


第41条 鉱業出願人の名義は、変更することができる。 

たとえ、現在、出願中の業者が善良であっても鉱業権は売買され悪い業者(暴力団系)に変更されるおそれがあり
ます。