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深い緑に覆われた暑さの夏、水田の稲はすくすくと育つ。 |
♪浜辺の歌を聴く♪ ♪もえろよもえろを聴く♪ ♪真白き富士の根を聴く♪
ががぶた (金銀蓮花)
この花を見られた方は少ないと思いますが、それ以上に名の意味をご存じの方は恐らくいないのではないでしょうか。
また、何でリンドウ科?とも疑問を持たれることでしょう。
「ガガ」はスッポンを指し、栃木県の方言で「ゴガミ」がなまって変化したものとされます。そこで、水面をこのスッポンの甲羅で蓋をしたようだと考えてはいかがでしょう。池や沼に生える水草で、水底の泥の中にひげ根をおろし、そこから茎が伸びて水面に葉が浮かびます。花は直径1.5センチくらいで、中心部が黄色の白い花を次々に咲かせます。別名「金銀蓮花」とも呼ばれています。
花冠は5 枚に深裂し、裂片のふちには白く長い糸状の毛が見られます。仲間の「アサザ」は花が黄色なので区別は容易です。王朝時代の植物にと探しましたが、あまり一般向けではなかったようで、かろうじて万葉集に「あざさ」が登場している程度です。花期は7月から9月ですのでちょうど今が見ごろで、小さく可憐な花が何かを貴方に語りかけるかも…。
ところでスッポンですが、当市にも生息しており、市内の河川でも確認されています。漢字で「鼈」と書きますが、歩く様子が引きずるようなことからとされます。また、「鼈甲」は海ガメのタイマイの甲羅を指すものとばかり思っていましたが、中国ではスッポンを指し、肝臓関係の生薬として利用されています。指は5本でも爪があるのは3本という特徴から、ギリシャ語の「3つの爪」の意味からトリオニクスの属名とされるようです。
日本における語源は、水中に出没することから、「出没」が「スッポン」となったとも、また、水に飛び込む音が「スッポン?」と聞こえたからだともされます。川柳に「スッポンの名は飛び込んだときにつけ」というのがあります。
スッポンは古くから食用とされ、日本では縄文時代の遺跡や弥生時代の登呂遺跡から骨が出土していますが、非常に臆病で警戒心が強いことから、野生の状態はなかなか見ることができません。
野萱草(ノカンゾウ)・藪萱草(ヤブカンゾウ)
万葉の植物、古来より親しまれており、古い中国の故事から憂いを忘れる草、忘れ草とされ、
万葉集にも数首詠まれています。
忘れ草垣もしみみに植ゑたれど醜しこの醜草しこくさなほ恋ひにけり
さらに、萱草の名では、枕草子、源氏物語に登場します。
古くから、摘み草遊びの山菜として人々に親しまれています藪萱草は、花色も同じ鮮やかなオレンジ色ですが、八重咲きで3倍体の染色体のため種子ができません。
また、仲間には湿原の花として有名なニッコウキスゲや、ユウスゲがあります。
各地のやや湿った草地に自生し、夏の季節を彩る野草の代表とも思われます。
面白いもので、地方の名産に「百合の佃煮」と称するものがあります。
いと珍味とされ、召し上がられた方もいると思いますが、じつは百合ではなくて、この野萱草なのです。
子規の句に 湯治場や黄なる萱草得て帰る とあります。
ちなみに季語は、夏です。
最近の園芸では、外国の仲間がへメロカリスの名で楽しまれています。栽培は容易ですので、ぜひ挑戦されてはいかがですか。
黄釣舟(きつりふね)
山地の渓流沿いや、湿った崖地に自生が見られます。
花が細い花柄の先に吊り下がって咲くことから、この姿を生け花で使う船の形をした「つり花生け」に例えた名の由来とされます。
草丈は50から80センチにもなり、葉は互生し、柄があり長楕円形です。
本種は、花が黄色であることから、「キツリフネ」と称されますが、赤紫色のものが「釣舟草つりふねそう」です。
まれに、白色から淡桃色の固体も発見されており、6月から9月にかけて山地を彩る愛らしい野花のひとつです。
まるで帆かけ船のような花ですが、太い袋状の部分は萼片がくへんで、基部は距きょになります。
花弁は3個、下方の2個は合着して唇弁しんべんとなっています。
皆さんもご存じの「ホウセンカ」の仲間で、熟した果実に触れると、果皮が急に弾けて種子を跳ね飛ばす特徴があります。
ホウセンカは古く中国より渡来し、花を揉み潰つぶして爪を染めるのに使ったとされています。
マニキュアの現代版ですね。ひょっとして、ホウセンカの渡来する以前には、この釣舟草が代用されていたのでしょうか。
まぁ、とにかく群生する様を、何と形容したらよいか、ぜひあなたの目でご覧いただきたい野草と思います。
なお、このほどオープンした総合環境センターの「自然環境ふれあいゾーン」内でも「キツリフネ」を鑑賞いただくことができますので、ぜひ一度お越しください。
みずとんぼ(水蜻蛉) ラン科
ミズトンボは、ラン科植物の中のミズトンボ属の一種です。
名の由来は定かではありませんが、花の正面をよく見るとトンボの頭に瓜二つ。
命名者の観察眼と植物を楽しむ心に敬服します。
日当たりのよい山野の湿地に生え、高さ50cm程の背丈となり、茎は三角柱状で7月から9月に開花します。花の色が緑白色で、あまり目立たないため、知る人ぞ知る植物です。仲間のサギソウは、皆さんもご存知で栽培も容易ですが、本種の栽培は意外と難しいものです。
鑑賞のため、鉢に植えるほどの植物ではありませんが、栽培しようとされる方は少し大きめの鉢に鷺草(さぎそう)、柿蘭、朱鷺草(ときそう)などと混植し、水加減には特に注意され日照は朝日程度とすることをお勧めします。
ラン科植物は世界に約3万種、その内日本には約250種が産するとされています。
沢桔梗(さわききょう) キキョウ科(多年草)
野山は秋の気配が一段と強まり、ススキや萩が風情を醸し出し、味覚を覚える季節となってきました。
山野の湿地や荒廃した水田に、時として群生する沢桔梗は、遠目にも艶やかな濃紫色の花を多数咲かせます。
万葉集に「秋の野に咲きたる花を指折りかき数ふれば七草の花」と山上憶良が、秋の花を詠んだ奈良時代末期から「秋の七草」が千年にわたって親しまれてきましたが、その中の朝貌(あさがお)は桔梗とされる説が有力です。
桔梗と名のつく花はこのほかに、蔓桔梗(つる)谷桔梗、そして、ご紹介します沢桔梗ありますが、いずれも桔梗の花とは全く異なるものです。花冠は唇形、し、上唇は細く二裂し、下唇は大きく三裂しています。茎は直立し、草丈約1メートルにもなる大型の植物で、切り花に最適です。
夏水仙(なつずいせん) ヒガンバナ科 (多年草)
夏水仙は人里に近い山野で、春に葉を出し、夏に葉が枯れたあとの八月から九月にかけて、花茎50〜70cmの涼しげな淡紅紫色のラッパ状の花を咲かせます。最近リコリスという園芸品種が紹介されていますが、この夏水仙や彼岸花も日本のリコリスです。秋は同じ仲間の彼岸花のシーズンとなります。
道の辺の壱師(いちし)の花のいちしろく
人皆知りぬわが恋妻を
彼岸花は、万葉の時代「壱師」と称されていたようです。真っ赤な花色は、道にあってもすぐに人目につくが云々と詠まれるように艶やかな植物です。このほかにも黄赤色の花のキツネノカミソリがありますが、鱗茎(りんけい)で増殖しやすい植物です。リコリスは、外国では人気のある園芸植物ですが、日本ではあまり大切にされていません。彼岸花の群生地が観光資源となるほど少なくなっている現状です。(
写真は季節の花300より)
蓴菜(じゅんさい) スイレン科 多年草
池や沼に生え、地下茎が水底の泥の中を這い、分岐して長い葉柄が伸びて、楕円形の葉が水面に浮かびます。
若い葉や茎は、寒天質の粘質物(藍藻類らんそうるい)に包まれており、古くから、独特の風味と食感を、吸い物などで賞味されています。古事記に
奴奈波久里(ぬなはくり)、波閉祁久斯良爾(はえけくしらに)・・・
と記され、古今和歌集にもぬなはとの記述があります。
万葉の植物としても有名で
わが情(こころ) ゆたにたゆたに 浮蓴(うきぬなは)
邊(へ)にも奥(おき)にも 寄(よ)りかつましじ と詠まれています。
ぬなはとは「沼縄」のことで、水中の地下茎を縄に見立てたものと考えられます。花期は5〜8月、直径2センチ程の小さな紫褐色(しかっしょく)の花を咲かせます。ジュンサイの名の由来は、漢名の蓴(チュン)が、訛ってジュン、食用とされることから「菜」をつけて「蓴菜」とされたようです。
総合環境センターには、日本に産するスイレン科の植物のうち、このジュンサイとコウホネが栽培されています。
目高(めだか) メダカ目 メダカ科
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「めだかの学校は川の中・・・・・・・」
めだかは私たちの幼いころから親しまれ、愛玩されている魚です。
水田や水路に住むことから、英名でライスフィッシュ(米の魚)と呼ばれています。
日本では、頭が大きく目が高いことから「目高」とされますが「談義坊(だんぎぼ)」の異名もあり、経典を見ずに教義を話す僧にかけて「水に放す」ををもじった実にしゃれた命名ですね。
めだかは、ボウフラを好んで食べることから、家庭の水がめや防火水槽にもよく飼われ近縁種のグッピーが熱病やマラリア撲滅のため世界各地に移植され、効果があったことも証明されています。
春から秋にかけて頻繁に産卵し、生まれたばかりの小さな子メダカが泳ぐ様はかわいいの一語に尽きます。
個体での移動が無いため、分布が広いわりに地域色が強く、その土地固有の特徴があります。
最近めっきり個体数が減りましたが「亀山のメダカ」が絶滅しないよう守ることも大切です。
鯰(なまず) ナマズ目ナマズ科
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古来より私たちの生活に一番近い存在の魚がナマズです。
このことは竹生島縁起、阿蘇の伝説などをはじめ、全国各地の風土記、神話伝説にも登場することからも、納得いただけるものと思われます。
愛嬌のある独特の顔と姿から「瓢箪鯰の戯画」や「鯰絵」が生まれてきたものですが現在にもキャラクターとして十分通用する個性豊かなものがあります。
どうも「グラグラして不安定」という意味が、地震につながったのではないでしょうか。
このナマズ、かっては市内の河川やため池でよく見られたものですが、環境の変化からか最近激減しており、一度はじっくり観察してみたい淡水魚の一つです。
名の由来は、「滑らかで、とらえがたい魚」とされます。市内には、このほかアカザ科のアカザとギギ科のネコギギが生息しています。
クワガタムシ
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夏の昆虫の代表は、やはりカブトムシとクワガタムシと言えるでしょう。
カブトムシは、ひと夏で一生を終えますが、クワガタムシは、2〜3年長ければ4〜5年も生きるとされています。
自然での生育が随分と減少し、仲間のオオクワガタは人工的に増殖されデパートなどで売られています。
亀山の自然には、写真のコクワガタをはじめ、ノコギリ、ミヤマなど多くのクワガタムシの仲間が生息しています。
ナラ、クヌギ、クリなどの樹液に群がる性質から捕獲も簡単ですので一度飼育されてはいかがでしょう。
名の由来は、兜の目庇正面(まびさし)に威容を示す前立物として取り付ける2本の角が「鍬形」と称されることからこれになぞられたものと考えられます。また鍬形は家紋としても使われ、紀伊徳川家などが使っています。
鍬形虫(くわがたむし)
鋸(のこぎり)・鬼・小瑠璃(こるり)・深山(みやま)・根太(ねぶと)・赤足(あかあし)・扁(ひらた)そして大・小と続きますと、クワガタムシであることが、よくおわかりになることと思います。
夏の昆虫採集は最近見られなくなりましたが、甲虫類、特に鍬形は人気の高い昆虫です。兜(かぶと)の前立物を鍬形と言うそうですが、この威厳ある姿に似せてこの名がつけられたものとされます。越冬し長生きすることから、観賞用に飼育されることが多く、現代のペットとしても親しまれているようです。
亀山市の自然環境調査でも9種が確認されており、日本には約35種が生息するとされています。
この写真は根太鍬形(ネブトクワガタ)ですが、余り見られない珍しいものの一つです。樫(かし)・檪(くぬぎ)楢(なら)などの広葉樹に集まる習性があり、昼間は樹木の洞(ほら)などに隠れ、夜間に活動しますが、幼虫は朽ち木の中で育ち、その中で蛹(さなぎ)になります。成虫の寿命は7年程度とされます。
体長は、オオクワガタ等の8cmから、マダラクワガタの5mmまでと、大きさ、姿形も変化に富んでいます。さて、今年の夏は何クワガタと出会えることでしょう。楽しみにしたいものです。
巳 (み)
日本では暦法の12支を動物にあてはめて、巳を蛇と呼ぶ習わしとされています。巳はこのほかにも方角(南々東)や、時刻(午前10時ごろ)を表す使われ方をしていることは、ご存じのとおりです。
蛇はは虫類として、あまり好まれる動物とはされておりませんが、最近のペットブームの影響でしょうか、飼育されるケースも相当見受けられるところです。でも、古来より神の使いとされる面もあり、白蛇で有名な地や蛇を祭る神社もあります。
昨年、亀山市が行った自然環境モニタリング調査では、シマヘビ、アオダイショウなど7種類の蛇が生息し、なかでも野登山では珍しいとされるシロマダラが確認されています。毒がある種としては、マムシ、ヤマカガシも記録されました。カラスヘビはシマヘビの黒化種ですので、これを一種とはいたいしておりません。チョロチョロと出す舌は、気味が悪い代名詞のようにされがちですが、スゴイ機能を持っており、温度や振動、そして匂いまでも感じ取るそうです。
一方、ヘビノボラズ、ヘビイチゴとヘビの名を冠した植物もあり、ほかにもかなり使われていますので、ぜひ一度お調べください。人間との付き合いも結構深いものと考えられます。また、蛇逃げて我を見し目の・・・という有名な句もありますが、俳句においては蛇は夏の季語とされています。は虫類の苦手な私ですが、今年は蛇を見直して、評価を新たに苦手を克服したいものです。 (写真の蛇はジムグリ)
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50代 男性
山には行きたいがヘビが苦手だから・・・・・という人が多い。
私もけっしてヘビが好きではないし突然であったら身体が反射的に逃げる。
やはり大昔、人類が恐竜に追いかけられていた遺伝子が残されているんだろうか。
でも山の先住者は彼らだし人間は迷惑な侵入者である。
「おじゃまします、通してください。」とヘビに挨拶する気持ちで接したい。
特にマムシはヘビより魅力的だ。短いし強そうだし、出合ったらじっくり観察することにしている。
4月に山に入ると早くもヘビたちと対面することもあるが、寒い時期は動きが遅く「オイどけよ」と対話することもある。
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