花鳥風月   初冬編
鈴鹿の山々は雪化粧
幼い日からいつも見てきた眺めです。

      
♪琵琶湖周航の歌を聴く♪


実葛(さねかずら) (モクレン科・常緑蔓性植物・別名美男葛)

あしひきの 山さな葛(かずら)もみつまで
          妹に逢はずや わが恋ひ居(を)らむ
        万葉集

「実のなる葛(かずら)」が名の由来と考えられます。
また、昔は茎や葉の粘液を整髪に用いたことから別名「美男葛」とも呼ばれています。
淡黄白色の花は意外と知られていませんが。古い時代から人々に親しまれてきた「つる植物」の一種で、和歌で知っている方もいらっしゃると思います。
冬景色の散策中に紅熟した実が一段と際立って目に飛び込んでくるはずなのですが、藪や林が減っているのか、最近はあまり見られなくなりました。
初夏の時季に挿し木で簡単に増やせますので、一度試してみてはいかがですか。
果実は薬用とされます。



冬青(そよご)       モチノキ科 常緑高木

 初冬の雑木林に、赤く熟した果実が可愛い風情を醸しだしています。
当地の自然林にも生育し、樹高は10〜15メートルにもなる常緑樹で、葉は楕円形の互生、雄雌異株です。
 常緑樹で赤い実のなる黐(もち)の木と黒鉄黐(くろがねもち)、黒実の犬黄楊(つげ)、落葉で赤い実の梅擬(うめもどき)などが仲間で、花は小さいのですが熟した果実と樹形の鑑賞価値が高く、最近特に庭木としての利用が多くなっています。
 葉が風に揺れて、そよそよと音をたてる様を「戦ぐ(そよ)」と言うそうですが、そのことと、冬枯れの中の青い葉姿をなぞらえた名の由来と考えられます。
 材質は堅く床柱や算盤の球に、葉は染料に使われたとされますが、薪炭用に伐採されたことから地域によっては少なくなっています。
    別名 膨柴(フクラシバ)



目白(めじろ)      スズメ目 メジロ科

 椿の花がちろほろと咲きかけてきました。目白は、この花の蜜を好んで飛来っします。
 翼の色は草緑色、目の周囲に白い輪があり、名前の由来もここになるとされます。非常に愛らしい小鳥で、鳴き声も高い調子でさえずることから、飼鳥として親しまれています。
 目白は、日本全国の常緑の広葉樹林に分布し、この地方では留鳥として周年見られます。この時期、集団で行動し、家の庭へも度々訪れてくれますので、ミカンの果実を半分に切り、木の枝に刺しておくとじっくり観察でき、楽しさも倍増します。
 俗に言う「目白押し」は、目白の群れが枝に並んでいることを表現して言った言葉です。地方により鳴き方を「長兵衛忠兵衛、長忠兵衛」とか「千代田の城は千代八千代」などと聞きなしています。現代は捕獲が禁止されており、許可がないと飼育できません。


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